ナイトカバー設置状況
ナイトカバーの取り付けにより3 割近く営業時間外の省電力が図られている
図 3-1 に,S 店におけるショーケース冷凍機の消費電力の推移を示す。
24 時間営業のコンビニエンスストアとは異なり,閉店(20 時)後および店休日の消費電力が小さくなっている。ただし,冷食は減少していない。
ここで,A 店の冷食の消費電力をみると,営業時間外の消費電力が大幅に減少している(図 3-2)。
この違いは,ナイトカバー・エコノカバーの有無によるものである。
ナイトカバー・エコノカバーとは営業時間外にショーケースの開口部に設置する一種の保温カバーのことで,今回実測を行った両店舗では,S 店の冷食を除くすべてのショーケースに設置されている。
表 3-4 は両店舗における冷凍機の営業日・店休日別,営業時間内・時間外別 1 時間当た
りの消費電力を示した表である。
A 店の鮮魚を除く冷蔵ショーケースの冷凍機の営業時間外消費電力が時間内の 4 割~ 6 割程度にまで減少している。
これは,庫内商品が少なくなることによる冷凍負荷の減少とナイトカバー・エコノカバー設置にともなう省電力効果によるものと考えられる。A 店の鮮魚が 22% と激減しているのは,閉店後ショーケースの運転を停止しているからである。
次に,冷食についてみると,ナイトカバー・エコノカバーが設置されていない S 店の営業時間外及び店
休日の消費電力はほとんど減少していないが,A 店の冷食は営業時間外消費電力が時間内
の 7 割に減少している。
一般に,冷凍ショーケースは冷蔵ショーケースとは違い営業時間
外も商品が庫内に残っており,冷凍機の消費電力は減少しないと言われている。
厳密にはショーケース庫内照明消灯による熱負荷の減少分が含まれているが,S店ではナイトカバー・エコノカバー
の設置により,3 割近く営業時間外の省電力が図られているものと推測される。
※総合研究部 電力グループ 研究員 鷲頭 紀幸様レポート参照